通院ブルー

夜の街の涼しさに驚いた。
ドラキュラの自宅室内は、夜中でもエアコンをつけてやっと２６度という暑さだから。
太陽光を防ぐため窓という窓を塞いで目張りしていて風が通らない。
窓に貼りつけた完全遮光の布は特殊加工が施してあるので日中の太陽の熱を吸収してそれを込める。
マイナンバーが施行された。
我には患者ナンバーも付いている。
7桁だけれど、いつの頃からか、そらで言えるようになっていた。
戦いの長さを物語っている。
明日も出陣だ。
このところ通院が続いている。
かかる医師がそれぞれに夏休みを取ったため、一回の通院で２科受診することができなかったのだ。
先週は、「なんで、アンタ今日来てるの！」と医師に言われた。
『アンタが夏休みだったからだろうよ！』

と言い返したらおしまいよ。
通院それ自体が地獄の戦なのに。
窓を塞ぐのと同じ完全遮光の布でできた上着に帽子、手製の顔面プロテクト板でタクシーに乗り込むのだ。
サウナスーツを着ているようなものだから、熱さで茹だる。
大村智北里大学特別栄誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞された。
どなたか、ドラキュラを元の人間に戻す特効薬を開発してくれないものか。