過去 1 週間のページビュー

2022年2月23日水曜日

マックにて


 まるで北の国に旅立つかのように、5年ぶりにダウンコートに身をくるみ、ブーツを履いて歩いて2分ほどのマックへ行った。
通院の疲労が少しづつ回復してきて、手足を少し動かしてみたくなっていた。
寒いっと口にしたくない。
寒さは、人の心をくじくのだ。
冷たい空気がそのまま世間の冷たい空気に感じられるのかもしれない。

 
昨夜は、オフィスビルも凍るように静まり返っていた。
ところがマックの客席は、 人が多かった。
そうは言っても、コロナ禍以前の5割程度だ。
そうして、誰もがマスク星人だった。
私はそれにほっとして、温かいカフェラテを飲んだ後に、
灯のない吹き抜けの天井を仰いで深呼吸をした。
手足を伸ばしても誰にぶつかるわけではないけれど、ラジオ体操第二をやるには、躊躇われる人の数ではあった。
丁度昨年の今時分に閉店した居酒屋の、既にその店名も消された廊下の端で、おはよう健康体操をした。

 
今夜もマックには、そこそこの人がいた。
ところが、マスクをしない普通の人が幾人かいた。 
とりわけ愛くるしい顔をしたお姉さん二人は、喋る、笑う、泣く、また喋る、笑うを繰り返して、そこだけ春の泉のようだった。
 

 
 一方で、マスクを接着剤でくっ付けたのかという感じにピタリと顔に付けた二人は、ネイビーのセーターに白いワイシャツの襟が眩しい男子高校生だった。
新型コロナウイルス に感染して受験できなければ、救済策が取られたとしても厄介なことになることは間違いない。
 
日本では死者数が一日としては過去最高の300人を超え、死者数は増加傾向だけれど、新規感染者数がピークを越えたとアナウンスされて、
これからは、防大生が卒業式に高く帽子を投げるように、マスクを投げて、さよならマスクをする人が増えるかもしれない。
 

0 件のコメント: