吹き抜けの空間にあるマックは、
コロナウイルスをあまり心配せずにすむけれど、
冷えるようになってきた。
出がけに、膝掛けでも持って行こうかと迷った。
けれど、止み切らない雨に傘をさすので、膝掛けはやめにした。
店内は、日曜の夜とは違う空気が漂っていて、
プータローの私もひしひしと今夜が月曜日なんだと教えられた。
やはりビジネスパーソンが多かった。
「成果と課題、どこに目標を置いたかということだ」という言葉が向かい合う1人に投げられていた。
私は、迷わずに選んだホットコーヒーのMサイズ、量少なめにしてとお願いしたそれを持って私の第二の指定席に座った。
第一指定席には別のビジネスパーソン二人組がノートパソコンを前に座っていたのだ。
昨夜はその席では、恋愛問題がもつれにもつれた2人の中年男性の話し合いがなされていたのに。
その時もある種の緊迫感が漂っていたけれど、今夜の張り詰められた感じは、部外者の私には子気味良い感じがした。
館内にはトロイメライが流れて、私は子供の頃に買ってもらったオルゴールのことを思い出してぽわんといていた。
その間にもこっちの2人とあっちの2人は同じ会社らしく、パソコンを片手に、4人は寄ったり散ったりしていた。
年齢は30代から40代だろうか。 白もあれば黒もあったけれど、皆一様にマスクを着けていた。
「お世話になっております」という言葉を皮切りに、
今度は電話が始まった。
「ライバル社のキャンペーンが始まるので・ ・・」
「そもそもこの勝負はですね・・・」
「今日の4時に部長から説明がありましてね・・・」
「自分は明日は名古屋なんです」
「スケジュール設定はこれが最短なんです」
「私はまだお会いしたことはないもので、話には聞いていますが。」
ポンポンと矢継ぎ早につながりのない話が聞こえてくる。
不思議と声は同じように聞こえるので、
私はえいやーっと振り返って見た。
すると4人がそれぞれに電話をしていたのだ。
マスクを通しての声はどれも同じに聞こえるのだろう。
電話の合唱。
出勤者が多くてオフィス内が密状態になってしまったのでしょうか。
呼び出された取引会社の社員達が、会社に戻る間を惜しんで仕事を始めたのでしょうか。
今日の東京の最高気温は21度、最低気温は11度晴れ時々曇りの予報です。
私は帰宅すると、ようやく峠を超えたかと思った憂鬱事がまだまだで、やはり元気で働いていた時の苦労の方が何千倍も幸せだったと痛感しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿