ドラキュラのランチ

　暮れて目覚めるドラキュラのランチは真夜中だ。
一年のうちでもっとも夜が短いシーズンを迎えて、
ドラキュラの夜は実に慌ただしい。
短い夜に、ファミレスに行くことを諦めていたけれど、
悲しいこともあったりして、どうしても心が沈みがちになるものだから、
この数日は真夜中のファミレスに通っていた。

道すがら注文する食事を決めて、
テーブルに着席するなり、
オーダーする。
メニューを眺めたり、注文のためにスタッフにもう一度来てもらう時間も惜しいのだ。
テーブルに置かれた料理は掻き込むように食らう。
ほとんど丸のみだ。
承知の上とは言え、実に忙しい。
不愉快そうに、そして疲れ切った様子で、どしっと座る
元ダンサーかと思われる女に目をやっている暇もない。

ジョナサン　焼津港漬けまぐろとアボガドのサラダご飯（レタス→ケール）

　料理を待つ間に取って来たドリンクは立ち飲みでファミレスを出る。
そして杖をほうき代わりに跨ぐように、真夜中のスーパーマーケットを所狭しと駆け巡る。
月を愛でることもなく、星を探す間も無く、じわっと汗ばむ額に手をやってフーフーと帰宅する。
今は、３時には、戻らなければならない。
３時半には、見えるような見えないような紫外線に皮膚がやられてしまうから。

昨夜は、バレーボールの試合のセット間に
一度家を飛び出した。
珍しく、シウマイ弁当が残っていた。
今夜のランチはこれだ！
多少賞味時間が過ぎていても問題ないと考えた。
けれど、先日から、弁当箱が紐結びに変わったと思ったら、工場が横浜に変わり、入荷頻度も増えたので、賞味時間が 延びたとのことだった。
そう言えば、ブログに横浜工場増設のことを綴ったことがあった。
これまでのシウマイ弁当は江東区の工場のもので紐結びはなくセロファンだったのだ。

　シウマイ弁当モドキにはない杏をじっくり味わって、
蒸されたお米の一粒一粒を真夜中に美味しく食べることができた。
かくしてドラキュラのランチメニューにシウマイ弁当が登録された。

今日の東京の最高気温は２８度、最低気温は１８度、雨のち晴れの予報です。
出勤の頃には雨も上がるようです。
もうそこに週末が迫っていますから、お互い頑張ってまいりましょう。