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2018年6月8日金曜日

ご飯論法



 学校法人森友学園を巡る一連の問題で、
「刑事責任は免れたか」というのが多くの国民の受け止め方だろう。
先月末、大阪地検特捜部は、国有地の大幅値引きや公文書の改ざんなどの告発容疑について財務省幹部らを不起訴処分とした。
 今月5日には、財務省が自らこの問題を調査し、
「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」を公表した。
この報告書は51ページに及ぶ。私はまだ読み込んではいない。
しかし、51ページに及ぶ報告書の作成に、どれほどの労力が費やされたであろうか。
本来財務官僚らの優秀な頭脳は、こういう作業に使われるべきものではなかったはずだ。
財務官僚が国会でウソの答弁をし、国会や会計検査院にウソの書類を提出し、公文書を破棄し、改ざんした。
財務官僚の犯したこの「罪」を財務官僚らが調べて、結果こうしたことをしでかした理由はわからずじまいだという。


  一年以上もそして今も、いわゆる「ご飯論法」で国会(国民)は、首相や首相を取り巻く国会議員と官僚によってはぐらかされ続けている。
法政大学の上西充子教授がツイッターで紹介したとされるご飯論法は、
「朝ごはんは食べたか?」という質問に、パンを食べているけれど「ご飯は食べていない。」と答えるように論点をずらして答えることだ。
 加計学園問題での加計学園関係者が官邸で元首相秘書官と面会していたにもかかわらず「愛媛県職員と会ったか」と質問されたから会ってないと答えたまでだというのもまさにこれだ。


 友人の中には、いつまでモリ、カケをやっているんだという者もいる。
けれど、明らかになっている限りでの、公文書の破棄や改ざん、国会でのウソの答弁、 検査院へのウソの書類提出はこの国の民主主義を揺るがす大変な事態だ。
立法、行政、司法の相互チェックも、もはや機能不全とも言えよう。事の真相がうやむやで、痛みを伴わない処分は、次なる悪だくみのハードルを下げて行く。
 度重なる作業に、財務官僚らは、現政権に「貸し」ができたと考えているであろう。次は御し易いぞと。
 そして、巷では、起こる不祥事に「重く受け止める」
「真摯に反省する」という言葉がやたらと発せられるようになった。
こうした言葉が、実のない軽い言葉に聞こえる。

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