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飯田商事 |
「なんだそりゃ!」
先週、会食した友人に、
会うなりいきなり見せられたのが『マイ電柱』のスマホ画面だった。
「あんこの旦那、音にこだわるオタクだろ?
こだわる人は、マイ電柱にまでするらしいよ。」
毎日深夜まで仕事をしているK君も忙しい中、
このブログを読んでくれているのだ。
「まさかぁ〜そこまでオタクじゃないわよ。」
と、つい言った私。
我が配偶者のオタク度は軽度だと思いたいものだ。
エネルギー関係に勤務するI君すら知らなかった『マイ電柱』。
普通にある電柱は、トランスとやらを多くの家で共有しているらしい。
マイ電柱とは、自宅専用の電柱を立ててトランスをつけて専用の電源を確保するというもののようだ。
そうすると『いい音色』を聴くことができるのだろうか。
音オタクをうならせるような音がマイ電柱で実現されるのか。
「信じられない。」とI君は言った。
「専用の電柱までの電気が、同じなのだから。」
だよね、だよな、ということでその話は終わった。
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飯田商事 |
そして、帰宅してドアを開けるなり、
爆音だ。
オーディオ軽度オタクの良人がクラッシックを聴いて
悦に浸っていた。
「ねえ、マイ電柱知ってる?」と大声を出すと。
振り向いた良人の小さな眼が輝きを放った。
「マイ電柱で、音が良くなったりするの?」
音楽を止めた、 良人はいつになく少しばかり語った。
間違いなく音が良くなるということ。
マイ電柱が欲しいということ。
しかし、 電柱だけで200万円はかかりトランスと室内に敷く配線でさらに費用がかかるということ。
そもそも戸建ての家でなければ電柱を建てられないこと。
加えて、 普通の電柱からの電気は色々なものが混ざって、
最悪なのだと。
ノイズがなくなるのだと言った。
私にはよくわからないけれど、普通の電柱からの電気は、雑味のあるコーヒー、紅茶のようなもので、
マイ電柱だとネルドリップで抽出した感じになるということなのだろうか。
はたまた、マイ電柱に美しい女神が宿って、
音オタクに「貴方には、澄んだ音を天から授けます。」ということか。
そして、良人はマイ電柱を立てることはできないから、
せいぜい「コードを手作りする」までだと言った。
これにも驚いた。
知らなかった、コードを作っているとは。
コードも手作りすると音質が良くなるのだろうか。
これは、もう例えようがない。
言われてみれば、我が家に良人が嫁いできてから、
良人の部屋となった太陽の当たる部屋、納戸のあちこちに、
蛇がとぐろを巻いたようなコードの山がそこここにできていった。
もともと単身で住んでいた住居スペースが、
良人のオーディオとそれらのコードに次々占拠されて、
どうにも狭くなってしまったのだ。
特にコードの山には、問題の小さな虫もたかっていることが最近分かって、実に悩ましいものとなっている。
太陽の当たる部屋で、黙々とコードを作っているのか。
光に当たることができない私は、その部屋に踏み込めないし、
昼間はいびきをかいて眠っているから、
休日の昼間に良人が何をしているのか全くわからないのだ。
良人のオタク度は、
もしかしたら中程度以上かもしれないな。
そんな良人は、昨日は、
気に入ったカファレルのチョコレートを買うために
会社帰りに吉祥寺に立ち寄ったようです。
今日の東京の最高気温は10度、最低気温は8度、晴れ時々雨の予報です。
昨日は20度まで上がりました。
気温差に体調を崩さないようお過ごしください。