置地廣場 |
一昨夜から、予定より早まった用事に追われて、てんやわんやだ。
おかげで、少し戻った体重が、一夜にして1キロ減った。
夜が少々短くなってきて、ドラキュラはまた暮らしにくくなってきている。
買い物のはしごをして、沢山の荷物をぶら下げて、一休みに飛び込んだいつものカフェ。
裏メニューだった豚しゃぶパスタを食べてスタートさせた買い物だったのに、またしても食らってしまった。
サンドイッチ。
目的の物が一つどこを探してもない。
都会にあっても大抵の店は22時が閉店だ。
今度はどこを当たろうかと何度となく時計を覗いていた。
ふと気がつくと、赤の女が目の前に立っているではないか。
昨夜は私が先に座っていたので、もはや2人分のスペースを赤の女が取ることはできない。
だからか、突っ立ていた。
渋々、黒い本革の大きなバッグを、テーブルの向かいの椅子に載せて、私の隣に腰を下ろした。
またもや、上から下まで赤ずくめだ。
目玉親父も10人首にぶる下がって、これまで会った2回と同じスタイルだ。
唯一違ったのは、カチューシャだ。
昨夜は、サテンの黒のカチューシャで大きめのリボンがついて底引き網のような黒いレースがリボンの上にふわっとのっていた。
昨夜の赤の女は、空を見てぼーっとしていた。
様々なグッズが入った黒いバッグが向こう側の椅子で容易に取り出せないからなのか。
トイレに行こうとした時、バッグの肩かけが赤の女の、2つの荷物の下敷きになっていることに気がついた。
そっと引いたけれど、赤の女の荷物が倒れかかった。
その時、
「すみません!」
私と赤の女の声は、ハモったように同時だった。
赤の女のその声は、本当に申し訳なさそうで、少し訛りがあった。
見かけと違って結構マトモな女だと感じた。
そして、その時初めて赤の女の顔を見た。
女優の白川和子さんに似ていた。
話かければ、多少の会話ができそうな雰囲気だったけれど、私に時間がなかった。
「赤がお好きですか?」
「私もです。」
ではなく
「カチューシャが、先日と違いますね。」をとっかかりに。
青山フラワーマーケット |
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