金のなる木が家にあったなら、
毎夜タクシーに乗って銀座に行って、
ブラジルではなく
ブルー・マウンテンを一杯飲んで 、
またタクシーに乗って帰宅する。
先週の通院のご褒美は、随分前からブルー・マウンテンと決めていた。
過酷な通院となることはわかっていたから。
朝陽とともに、病院に向かい、
勢いづく日差しを背に浴びて帰宅した通院は、
予想以上に厳しいものとなった。
帰りのタクシーではエアコンで冷やしてもらったけれど、完全遮光の上着をまとった身体は汗だくになった。
そして通院の翌日、恋い焦がれていたブルー・マウンテンを注文した。
ブルーマウンテンを飲むのは、ブログに綴ることができないぐらい昔だ。
乳飲み子で、ブルマンを飲んだのかということになる。
テーブルに置かれたブルマンは、特別扱いはなくブレンド同じカップに淹れられてきた。
ブルマンを待ち受ける私は緊張しているのに、
テーブルに置いたお姉さんはいつもと同じように、
ただそれを置いた。
写真に撮ってみても、どこがブルマンか全くわからない。
褐色もブレンドとの違いがない。
湯気がふんわりとブルーと立つわけでもない。
そんなことを考えつつも冷めるのを恐れて、急いで口に含んでみた。
そして私のドキドキが止まった。
飲んでみてもブレンドとの違いがわからなかったのだ。
かつて飲んだブルマンには、際立つうまさがあった。
気品ある甘みに、うっとりしたことを覚えている。
「これがブルーマウンテンか」と。
ブルー・マウンテンが悲しく沈んだ。
何かの間違えではないかと思ったけれど、
通院後、食欲もなくかったるい日が一週間続いたので、
体調不良で味がわからなくなっていたのかもしれない。
もう一つ考えられる理由は、
今やマックの100円コーヒーでさえも、侮れないうまさだから、押し並べてコーヒーが美味しくなって、
ブルマンの良さが格別というものではなくなったのかもしれないということだ。
置地廣場 |
一杯900円のブルマンはブレンドの2倍より少々高い。
まあ、一晩カフェをお休みすれば、ほぼ同じ支出だけれど、
それがどうして、できないしがなさよ。
次にブルマンを飲むのはいつになるだろう。
大して美味くなかったから、金のなる木でも生えてこなければ、
一生飲まないことになるのかな。
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