「行きはよいよい、帰りは怖い♫」と歌のようになった通院だった。午前7時20分に無線タクシーを呼ぶと、いつもはなかなか応答がないタクシーが今日は早く手配できた。偶然にも2年ぶり馴染みのドライバーだった。完全遮光の防御服の下は、Tシャツ一枚、保冷剤無しでも暑くはなかったので、それだけでもかなり有り難かった。
しかし、帰りは、またもや地獄だった。午前10時を少し回った時間なのに、タクシーのバックから容赦なく照りつける太陽が、防御服を熱くして、汗が吹き出してきた。帰途の道のりはとてもとても長く感じた。
さて、帰途の苦しさはさておいて、今日は久々馴染みのドライバーから始まり、感動することがいくつかあったのだ。
まず受付後、採血彩尿 がある。私は便宜上、おしっこは自宅で採って持参する。今日はフレッシュなおしっこを提出した後、光をよけながら待合いの廊下を歩いていると、後ろから誰かが声をかけてきた。それは、新人検査技師の青年で、「次回分の尿スピッツとコップです。良かったらどうぞ。」私は勿論有り難く受け取ると同時に、成長したなぁと思った。半年前に、私は「ほぃ!」と凍結したおしっこのスピッツをその新人検査技師の青年の眼前に差し出したのだ。すると、案の定、新人検査技師は、仰天して固まってしまったのだった。
レモンシャーベットのようなおしっこは、おそらく初めてで、びっくりしたのだろう。横で見ていた先輩技師が静かに、教えていた。しかし、青年が仰天したには、もう一つわけがあっようだ。あとで気がついたのだけれど、凍らせたおしっこは、容積が膨らんで蓋を押し上げていたのだ。蓋がくるんだタオルに残っていた。蓋もないおしっこシャーベットに驚いたのだ。おしっこスピッツは、身体を冷やすための保冷剤と一緒に病院まで持ち運んだので、凍ったままだったのだ。
採血もいつものカリスマ看護師に神の手で上手に刺してもらい、「良いお年をお迎えください」と無事終了した。続いて受診科に行くと、いつもは、待ち合い室の頭上の蛍光灯を何の情もなくバシバシ点ける看護師が「あんこさん、待ち合い室で待ちますか?」私のささやかな抗議、この5年間の恨みとともに皮肉っぽく、「ハーイ、居られないのでうろうろしまーす!」と答えた。すると「待ち合い室の蛍光灯、消しますね。」、どういう風の吹き回しか?私は感動のあまり涙が出そうになった。待ち合い室、2列のうちの1列の蛍光灯を消してくれた。
座ることができたのだ。待ち合い室は窓がなく、私には絶好の居場所であるにもかかわらず、頭上の蛍光灯と診察状況を知らせる画面が、光を放ち、それゆえ、うろうろと落ち着きのない檻の中の熊のように歩き続けなければならなかった。
会計が済んだら、太陽が高くなる前にタクシーに乗り込みたい!しかし、病院入り口のタクシーは午前中は、追い出されてしまう。通院患者の邪魔になるからだろう。通りに出てタクシーを捕まえることはできない私には大問題なのだ。この春まで、親切な女性職員が私の風体から察して、通院患者を乗せてきたタクシーを呼び止めてくれていた。ところが、その女性職員は定年退職し、引き継ぎを受けたというボランティアも夏の休業を経るといなくなってしまった。ちなみに後任の病院職員は、親切とは言いがたい人物になってしまったので、頼みにはならないのだ。今日は、前回お願いした新しいボランティアの方が覚えていてくれたので、上手くタクシーに乗り込むこともできた。かくして、年内の通院は無事に閉幕した。皆様、お世話になりまして、ありがとうございました。
今日の夕食は崎陽軒の中華弁当 |
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