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2021年8月26日木曜日

東京都の重症者数を国基準に改めよ


「このまま私が、ここで死亡診断書を書くか、どこでもいいから入院を待つか。」

この場面の入院は、重症者の手当が可能で命がなんとか助かる入院を待つのではなく、ここで死ぬか、病院で死ぬか、息絶え絶えの患者に、往診した医師が涙を呑んで患者の意思を確認している場面であった。医師は、片っ端から病院に電話をし、途中からは駆けつけた救急車の救急隊員も病院に依頼をし続けていた。

今、東京都には重症者を受け入れ治療できる病床、ICUがいっぱいで空いていないのが現状だろう。

テレビのニュース番組で、つい3日前に現場のルポが放映されて、今だにその場面が苦く焼き付いたままだ。

一旦は、ストレッチャーで自宅前の救急車に、医師も同乗して受け入れ病院に向かうはずだった。いざ出発の段に、受け入れ先の病院が患者のその時点でのバイタルの状況に応じられないと断ったのだ。
 患者は50代の会社員、「自分は十分生きた。息子はまだ若い、なんとか助けて欲しい」と医師に懇願していた80歳の父親 が「日本でこんなことが起こるなんて」と力なく崩れた。患者は、翌日入院して亡くなった。
 また、東京都に隣接する他県の病院の医師は、東京都内の重症患者の受け入れ要請があるが、東京都の患者を入れる余裕はなく、断っているとテレビ取材で話している。

 
昨日の東京都の重症者数は、277人と報告されている。対して確保病床は392床だ。70.7%の使用率となる。

けれど、東京都の重症者数を国基準に変えると、1138人となる。ただし、この場合、確保病床も1207床となる。この場合94.3%の使用率となる。
東京都には、国の基準と変えている言い分があるが、実数は国基準の重症者数1138人に近く、実態は上記のように入院できず把握されていない重症者がさらにいるのであろう。 

昨日の東京都の新規感染者数は、4228人。この数字は、先週の同じ水曜日に比べると千人以上減少している。これはピークを過ぎたと見て良いのか。しかし、東京の感染爆発は、各地に滲み出るように広がって、緊急事態宣言対象地域もまん延防止等重点措置対象地域も拡大せざるを得ない状況となった。

「重症者数は少ない」と言い続けた、菅首相。
「いたずらに不安を煽るな、第3波とは状況が異なる」と会見で記者団に苦言を呈した東京都の福祉保健局長。
都の福祉保健部長がこう発言したのは、7月27日、2848人の新規感染者数を記録した日であった。
ところが、7月末には4000人を超え、8月5日には5000人を超えた。
そして、8月12日東京都のモニタリング会議で、 国立国際感染症センター長の大曲氏は、東京都の感染拡大は災害レベルと言い「自分の身は、自分で守って」と言葉を発した。都の福祉保健部長の楽観発言からおよそ2週間後のことだ。
 
国と東京都はここに来て、医療機関に新型コロナ患者の受け入れ病床の確保と人材派遣を要請したが、それが果たして改善に繋がるかは別にして、あまりにも遅すぎる、その点でもお粗末な対応と言えるだろう。
 
本来、首都であり、ましてオリパラのホストタウンである東京都の知事並びに都の医療行政のトップは、デルタ株の海外情報が入った時点で、その対策を立て、指示、指揮すべきだった。
その楽観的姿勢と、現状から、早くから動いていたとは思えない。
これを世間では普通、⚪︎能 無責任と言う。 

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