医療を受けることが出来ずに、コロナ感染で亡くなる人の事例が報道されるたび、悲しい日本の現実を思い知らされている。
昨日、日本で新たに新型コロナウイルスに感染した人の数は2万5156人 、重症者は、1765人と公表されている。
(この重症者数については、東京都を国の基準に合わせると、全国で2568人となる。)
政府や政府関係者は医療は崩壊しつつあると言うけれど、 しつつあるではなく既に崩壊していると伝えるべきだろう。
昨日は、コロナ感染の妊婦が受け入れ先の医療機関が見つからず、一人で自宅で出産し、新生児は死亡したと言う痛ましいニュースが駆け巡った。数日前から出血もあり、極めて危険な状態にあったにも関わらず、対応できる医療機関がなかったという。
その前日は、家族3人がコロナに感染し自宅療養中に、40代の母親が亡くなったと報じられた。
家族全員がコロナに感染し、症状に苦しむ中で、互いにどう世話をするのか、残された子供の事を思うと悲しくなる。
そんな医療崩壊の中にあっても
お約束のパラリンピックは開催されると言う。
IPCパーソンズ会長は、
「東京の感染者数が悪化しても、パラリンピックは安全に開催できます。なぜなら、私たちはパラリンピックのバブルのなかと、その外側の社会で起きたことの間には相関関係が無いと確信しているからです」とJNNの取材インタビューに答えたそうだ。
でもね会長さん、競技者や関係者のために日本の医療従事者が引っ剥がされるのですよ。
その数なんと、開催ピーク時で、医師120人、看護師150人だそうだ。
一昨日から日本医師会も臨時の医療施設の設置を提案している。
臨時施設の設置は急務だ。けれど、医療従事者が集まらない。自らの医療機関での治療やワクチン接種に追われているからだ。
パラをやるならば、ホスト国と言えどこんな日本の状況に、思い及んで海外から医療従事者を連れて来てくれと言いたい。
パラにどれほどの医療従事者が動員されるのか調べようと思ったら、昨日の閉会中審査で、野党議員が質疑、提案をしていた。
その動画をどうぞ。
共産党田村議員が、動画の後半で今月3日に方針転換された重症者以外は自宅療養という事務連絡を撤回し、改めよと強く求めるのは最もだ。
方針転換を発表後、自民党内部からも批判の声が上がり、口頭では中等症でも入院とは首相も言っているけれど、各都道府県に示された事務連絡は、イキ続けてしまうものだ。 病院を始めとする医療機関の運用は都道府県に権限がある。文書にない内容は遵守のしようがないのが各自治体の言い分になる。
2 件のコメント:
病院で相手にされず、新生児が亡くなるなんて、医療崩壊では済まされず、既に先進国ではない状態にあります。酷すぎますね。
コメント有難うございます。
そもそも日本では20年以上前から少子化を背景に、産科を標榜する医院がなくなり産科を止めてしまう病院が多くなりました。普通にお産するにも地方によっては隣の自治体まで通院、分娩という事態になっていたわけです。そうなると産科を志す医師もいなくなるわけです。公的病院がなんとか踏ん張っていたところが、赤字となって税金を投入せざるを得ない運営となる公的病院は目の敵にされて、民間病院への売却、独立行政法人化が進められ、その方向性は今も続いているわけです。それこそ感染病床もしかりです。以前ブログでも綴っていますが、(2020年2月13日新型コロナウイルスの対応で) 感染病床は結核患者の減少とともに平成5年に1万1千床あったのが、今や1882床しかないのです。
今回の痛ましいケースは千葉県で起こり、千葉大学は母体胎児集中治療室(MFICU)6床のうち、一部を新型コロナに感染した妊産婦に割り当てて対応することにしたそうですが、それで十分かどうか。コロナ患者でない妊産婦の病床を減らすわけで、そちらの対応に支障が出ないだろうか。
勿論、同様のことは東京をはじめ他府県でも起こり得ることで、そもそもこうしたことを想定して、政府は各自治体にあらかじめ対応策を支持すべきであったし、各自治体も体制を整えておくべきだったはずですよね。
政府、自治体の見通しの甘さ、リスク管理の至らなさに言葉がありませんね。
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