私は、「カツ丼」という言葉をすっかり忘れてしまった。
忘れようと努めているうちに、本当に忘れてしまったのだ。
それはこのコロナ禍で外食という食事の選択肢を無くしたからにほかならない。
ところが、先日の総裁選の出陣式で岸田政調会長がげんを担いで、派閥議員にカツカレーを振る舞ったというニュースを聞いて思い出したのだ。
カツカレーもいいけれど、とりあえずカツ丼が無性に食べたくなった。
私は、お料理ができない。
しかも「揚げる」なんて、 鉄棒で逆上がりもままならないのに、離れ技の「コバチ」をやるようなものだ。
外食でのコロナウイルスのリスクがあれやこれやと浮かんで来て、外食のハードルは低くはならない。
揚がったカツ、つまりトンカツだけスーパーの惣菜売り場で買ってくる手を考えた。
玉ねぎとトンカツを出汁でちょいと煮て、卵で閉じるくらいなら私にもやれる!中学生ぐらいからやっていた。それなら、コロナウイルス のリスクは減るだろう。
ところが、夜のスーパーでは、上等なトンカツは売り切れていた。
2晩ほどトライしたけれど、なかった。
出汁で煮て卵で閉じれば、どんなトンカツも美味しくなるかというとそんなことはない。やっぱりある程度、豚が美味しいのでなければダメだ。
1年ぐらい前だったか、折角の会食でがっかりだったことがあった。段ボールにパン粉をつけて揚げて、卵で閉じたのかというほどお肉に旨味が全くなかったのだ。一口食べて、えっと思ったら、同席した人も、「不味かったわね。」と言った。
日々、憂鬱がどんどん大きくなって、
押しつぶされて散りじりになりそうだ。
ここらで 美味しいものを食べれば、憂鬱も多少しぼむかもしれない。
粉のような小雨が上から下に降りる 闇夜に、お蕎麦やさんに出かけた。
改めて過去のブログを見ると7ヶ月ぶりということになる。
途中には、緊急事態宣言で休業もあったし、営業時間の短縮もあった。
今尚、時短営業をしている。けれど、日暮れ時が早くなって、ラストオーダーの7時半には間に合うようになったので、タイミング的にも良かったのかもしれない。
カツ丼は美味しかった。
出汁は、もっと甘辛が好みだけれど、
甘みが抑えられた出汁で美味しいのは、豚自体が美味しいのだと思う。
いつかコロナウイルス というとんでもない災禍のくじを引いてしまいそうで怖いな。
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