この度初めて知った「上級国民」という言葉。
池袋で起きたあまりにも傷ましい交通事故についての報道に違和感を覚えて、ネットで探ったら上級国民という言葉に当たったのだ。
池袋の事故は、先週の金曜日、87歳の高齢男性が運転する車が赤信号にも関わらず猛スピードで交差点2つを直進し自転車に乗った母子2人をはね、さらにゴミ収集車に衝突、スピンしてトラックにぶつかり停止し、母子は死亡し、運転手と同乗者を含めて8人が重軽傷を負ったのだ。
防犯カメラの解析では、現場手前のガードレールに接触した後には、時速100メートルのスピードが出ており、最初の赤信号の交差点で自転車に乗った男性が飛ばされた後にはさらにスピードが加速され、およそ150メートルを猛スピードで直進したのではと言われている。
現場にはブレーキ痕もないというこの事故が、どんなに怖いものであったか想像に難くない。
事故直後の報道では、87歳の高齢男性が運転していたと言われていたけれど、夕方の報道では何故か、男性の姓に「さん」が付いていた。
高齢男性は今のところ逮捕されず、容疑者とも言われていないのだ。
翌日には、事故を起こしたこの高齢男性のことを元院長などと言い出した。
高齢男性は元通産官僚で、退官後工業技術院長にも就いており、当然ながら叙勲も受けている。
今日はまた、各テレビ局が、逮捕されない理由について、執拗に元院長も負傷し、入院中だからと言う。
この事故の僅か二日後、神戸市の三ノ宮駅前で、市バスが、横断歩道に突っ込み、2人が死亡し、6人が重軽傷を負う事故が起きた。この際は運転手は即逮捕され、容疑者と報道されている。
逮捕されないには、それなりの理由があるのだろう。
けれど、上級国民という言葉に、なるほどと思った。
元外交官で、テレビのコメンテーターなども務める人が、
昨年、あるテレビ番組で「末端の人達は知らないでしょうけれど」と発言したことがあった。
末端って何?誰?と私は思った。
この発言は、いわゆる官民ファンドの産業革新投資機構の社長を始め、役員がやってられないとばかりに、辞任するという事態になった時のことだ。
この時、社長の報酬が高すぎるという指摘もあり、この事について、そのコメンテーターが、億を超える報酬はこの世界では当たり前のことと言い、続いて出てきた言葉が「末端の人達は知らないでしょうけど」だった。
この時、この「末端の人達」がひっかかった。
もしかしたら、上級国民の対義語かしら。
平成のおしまいを象徴する言葉のような気がしてきている。
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