一昨日が良人の誕生日だった。
暗い、暗い誕生日となった。
あまりに暗かったから、良人も一昨日の誕生日を一生忘れないだろう。
空が真っ暗になるのを待って、
閉店時間ギリギリのケーキ屋さんに
飛び込んでバースデーケーキを買ったのに。
「牛男ちゃん、お誕生日おめでとう!」
と言っても、
無口という病気の良人は、
何も言わない。
しょんぼりとしていた。
「さあ、蝋燭の火を消して、フーッ」と私が言うと、
良人は床に崩れた。
そして、良人は手を払いのけるように振った。
子犬を追い払うよう に。
「フーッとして!」と私はイラついて何度も促した。
すると良人は
「もう、息を吐く元気もありません。」と小さな声で言った。
仕方なく、誕生日でもない私が蝋燭にフーッと息をかけて
火を消した。
無口という病気の良人の心の内はわからない。
結婚記念日というわけではないのだから、
人生をトータルで考えて欲しいものだ。
とは思っても、
難病の配偶者に寄り添って生きることになった牛男の人生を
思うと
なんだか私まで暗くなって、
ブログの更新をする気力もなくなり眠ってしまった。
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