ゴムまりが弾むように家を飛び出した良人だった。
御多分に洩れず、良人もまた帰省したのだ。
一体いつ義母と話を詰めたのだろう。
この度の帰省期間は長い。
「ママぁ〜、鬼嫁が口うるさいから早く帰りたいんだよ。」
と良人。
「人生辛抱なんだけどね。それじゃ早く帰っておいで。」とママ。
けれど、どでっと牛のように動かない良人の世話は、
高齢となった義母には負担となってきている。
3日と経たずして、
「牛男や、お握りを握ったから、これを背負ってもう帰っておくれ。」と義母が言い出すに違いないと私は思う。
もう少し実家にいたいなと思いつつも、高齢の母の負担を考えないわけにはいかず、
しょんぼりと帰ってくる良人の姿が今から目に浮かぶようだ。
良人帰省の前夜、日本海庄やで壮行会を催した。
良人が食べたいと言った海鮮かき揚げは、
小玉スイカほどもある大きなものだった。
「こんなに大きいことをわかっていたの?」
と私が良人を責めるように尋ねると、
無口という病気の良人は、首を横に振った。
私は、鹿児島産鰻の棒寿司を食べた。
とても美味しかったけれど、食べ応えがあって
一日経っても鼻の穴から鰻が出てきそうな感じだった。
紫芋のコロッケはほんのり甘くて、海鮮かき揚げは、アレルギーのイカをほじくり出すのに苦労したけれど、
どちらも美味しかった。
とりあえず私の待望の夏休みが開幕しました。
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