真夜中に、
通院の支度をしていて、
涙が溢れて来た。
フィギアスケートの選手が、
競技の前日にスケート靴の手入れをするように、
入念に遮光グッズの点検をしなければならないのだ。
ほんの微かな紫外線でも20秒で皮膚が火傷状態になる、
重度の光線過敏だ。
太陽光の紫外線の強さは、室内の灯の比ではない。
完全遮光の布を貼り付けた手作りのお面の貼り合わせが
甘くなっていないか毎回の通院の前に入念にチェックしなければならない。
微かでも隙間があればそこから太陽光が入り込んで、
皮膚がやられてしまうのだ。
昨晩は、剥がれかけているところが一箇所あった。
それを補修していたら、涙が出て来たのだ。
そして、最も私をブルーにするのは、
全く通気性がない完全遮光の上着を身につけると、
タクシーの中で異常に熱くなり、大量の汗が流れ続けて、
辛いことだ。
背中は、滝のように汗が流れ続ける。
覆った顔は、顎からポタポタと汗が落ちてくる。
franc franc |
通院日以外、
日中は外出することはない。
真っ暗になる夜までの時間も長くなって来た昨今だ。
この症状が始まったのは、
ケトプロフェンという薬剤の湿布薬を使用した直後だ。
そもそも喘息のある人への処方は禁止されている湿布薬だけれど、ある病院で処方されたのだ。
昼間外出できなくなってまる9年目を迎える。
9年という時が流れて、
病院へと続く街並みも随分と変わったようだけれど、
顔を手作りお面で覆っているので、 浮かぶ景色は昔のままだ。
迎えた恨めしい晴天の朝、
どういうわけか、
どのタクシー会社も「近くに車がありません。」という。
雨でもないのに初めてだった。
車の手配に30分かかった。
太陽が勢い良く上る時間に出発となってしまい、
ブルー、ブルー・・・そしてブルー
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