夜行列車に乗り込り込むことはできるけれど、車窓から朝日が差し込んできたら、その時でおしまいだ。
萌黄色の春の山々も遠い記憶の中の断片だ。
紫色に包まれた藤の棚も。
工房「ゆずりは」 |
北の国の友人が、こっちにも来てねと言ったことがある。
ドラキュラは考えた。
おそらくホテルのトイレには窓がないであろうから。トイレの照明を消して、用もないのに便座に座ったままの、12時間。
どうしていようか。
1時間ともたないドラキュラは、水のない浴槽で、死体のように眠ってみたり、足裏のつぼを押してみたり、浴室の写真を撮ってみたり、
やっと漆黒の空になって、行けるところは、すすきのか。居酒屋なら、東京にも星の数ほどある。
ああそうだ、ドラキュラは無職なのだ。稼ぎもないパラサイト生活のドラキュラは航空券が買えませぬ。
0 件のコメント:
コメントを投稿