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2023年9月9日土曜日

みなとみらいの夜

 

 みらいのないドラキュラがみなとみらいへ行った。

カリフォルニア州オレンジカウンティで暮らす親友のS子さんが来日しているのだ。いつも驚きの自然を讃える大陸の写真を送ってくれるのがS子さん。

 

ドラキュラ、意を決しての電車利用。

抱える難病を2つに増やしたドラキュラは、
30分の乗車時間はギリギリの限界だ。
頭上近くに直管型のLEDなど居られようもない。
優先席に座れなければ乗車困難だ。
心配した台風は雨の止み間で、幸運だったものの電車は3台見送ることとなった。
4台目の電車は一か八かのかけ。席を譲ってくれる人がいなければ、とりあえずしゃがんで、次の駅で降車するしかない。
スマホを見つめていなかった1人が杖を見て、直ぐに席を譲ってくれた。まだ日本に生存する親切な人。
市バス

やっぱりはまっこは、ランドマークタワーより市バスが嬉しいですよ。子供の頃から運んでもらった有り難さがある。市議会も維新の会の議員か増えると、市バスも廃止なんてことになるのではとつい案じてしまう。


難病たかりが、病人臭さをひっさげて行ってはいけないと、
一張羅を着て、 あらゆる飾りを身につけてのお出かけだった。
 
およそ1年半ぶりの再会。
フェイスタイムで語り合うことでは得られないものがあった。
嬉しさやほっとする気持ちが幾重にも折り重なるように、語り合うほどに積まれて行った。
S子さんは突然襲ってきた病で不自由ながら、1年半前より立ち姿に安定を感じ、つたい歩きも改善したように見えた。アメリカで治験に挑んでいる甲斐があると私は思った。

 

お妹様が、ドラキュラ対策に点灯は廊下だけにしてくれて、
電車の照明にやられたドラキュラはみるみる蘇って、喋ることができた。
お別れは、高校時代のように「じゃあね、また明日ね」と言うわけにはいかず、やはり寂しさが込み上げてきた。S子さんが異国に帰ると言うこともやはり大きいのだろう。

みなとみらいの夜はドラキュラに優しかった。

東京の下町の夜は、やたらと電子掲示板だらけで、雑多な光で溢れ返っているのだ。油断ならず。サングラスなしでは到底歩けない。

無言で出陣式をしてくれた牛男さんからガラケイにメールが届いていた。私は、光の問題でスマホが使えないのだ。メールには、電車が止まっているとあった。

時間を費やすのに覗いたスタバがいい塩梅に暗いので入店。頭上に照明がない席がいっぱいあった。しかも照明がどれも小さく夜空の星のごときだ。都会の大人空間と言う演出のスタバでみんなくつろいでいた。妙に着飾ったドラキュラが多少浮いているような感じはあったけれど、混じってくつろいだ。

住まう街にもスタバはあれど、ドラッグストアのように きつい照明がいっぱいで、ドラキュラは到底入店できないのだ。

街路を照らす灯りも間接照明で、怯えることなく歩き続けることができた。





動き始めていた電車はぎゅうぎゅう詰めだったけれど、また席を譲ってくれた人あり。親切な人が2人もいた夜でもありました。

まだ捨てたものじゃないかこの世も。



S子さん、また会ってね。日本から貴女の回復を祈っています。

 

 

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

とても良い夜になったようですね。

あんこちゃん さんのコメント...

コメント有難うございます。
子供の頃の夏休みに楽しかった後にふっと寂しくなる感じに似ています。
良い夜という言葉がふさわしいと思いました。