真っ暗な拙宅に客人など訪ねてくることもないものだから、
慌てふためいて、
最後はなかなか見つからない箸置きを探し出して、掌にのせてほっとした。
酒豪の友人が最初にリクエストしたキリンのハードランドについて、友人曰く
「軽いけれど味わいがある」と。
下戸にビールの世界は、永遠にわかりそうもない。
けれど、友人は、漫画というものを私に教えてくれた。
実は、友人が先週に吉田秋生さんの海街ダイアリーといのを9巻送ってくれていた。
その前の松本大洋さんのルーヴルの猫も余韻が残って浸れた。
この度の、海街ダイアリーは、 友人が、別の友人に勧められたのがきっかけという。私は、予想外にもこの作品にも引き込まれてしまった。
治るあてのない難病とそれにかかる様々な問題の重圧に、押しつぶされる日々に、とても苦しくなってきて、心の隙間が必要だと思った。
海街送りましょうかという友人のメールに、どうか頼むと私は即答したのだった。
気晴らしにと言って、どこに行くこともできない。テレビを見るのも厳しい生活で、紙媒体の読み物であることも私にとって貴重なのだ。
今回の来訪はその海街の回収も兼ねていた。けれど読み終えたのは6巻まで。私は残り3巻を読み切るのを、延ばしたい気持ちがあった。
高速回転の頭脳を持つ友人は、それを見越して、また別の漫画家の作品6巻をはるばる横浜から持って来てくれた。
この歳で、真摯に読むこととなった漫画本。
小説とは違って、サクサク読めるけど、サクサク読ませるストーリー展開が凄いな。
海街ダイアリーをお世話になっているヘルパーさんにお見せしたら、昔はコミケにも行っていたという同年齢のヘルパーさんは、
勿論海街を知っていたし、もっと昔の作品は全部読んでいると言っていた。 「漫画には小説とは違う面白さがあるのですよ」と。
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