私の命の洗濯場は、銀座だ。
良人の命の洗濯場は、実家のようだ。
昨日、いそいそと、まるで愛人宅に行くように支度をして一目散に逃げるように出かけて行った。
早朝、ラジオ体操に行く小学生のようでもあった。
今回は、また3ヶ月続いている非常事態の中、良人も心身ともに疲れてしまっているのも事実だ。
良人はママが好き、そしてママの手料理は、もっと好きなのだ。
良人は、「メタボ 」という言葉が今のように広く世間に浸透する以前の10年も前に医師から「メタボリックシンドロームと言われるものですなぁ」と診断された。
マツコさんのごとき良人、マツコさんを超える事を目指しているのか良人。
しかし、そんな良人にママはステーキ、お肉たっぷりのカレー、トンカツ、白飯食べ放題、という高脂肪、高カロリー食を連日作ってくれているようだ。
良人は、普段、無口や寡黙というレベルを超えて、「お早うございます」「こんにちは」どころか、「はい」も「いいえ」も発しない人間だ。意思表示のほとんどは、ジェスチャーだ。
10年がかりでようやく、実家での食事メニューのおよそが明らかになった次第だ。
しかも、白飯が食べ放題という事は、先日の帰省(水族館にも行けませんが)の後、私の知るところとなった。義母にお礼の電話をすると、義母が、ぽろっと、ご飯は好きなだけよそって食していると言ったのだ。良人の大好物の肉三昧の毎日に、ご飯食べ放題ときたら、実家、そこは、良人にとってパラダイスだ。
「母上様、メタボ食を止めていただけないでしょうか?」と申し上げたいけれど、難病の嫁を気遣い2日も3日も良人を預かってくれているのに言えるはずもない。
しかも、義母は、難病嫁の為にも、串かつを揚げて、塩結びを作って、 良人に持たせて帰すのだ。
その塩結びは、この上なく美味しい。私もまた串かつは、大好物だ。
そして私はデブ専だ。
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