入院初日の夜から喘息発作がでた。明くる日も。喘息で入院したわけではないので、呼吸器病棟ではない。深夜、当直医があわててやってきて、ネブライザー(液体薬剤を噴霧させて口から吸う装置)を始める。とうとう3日目の朝、病棟責任者であるという医師がやってきて、喘息発作に責任が持てないから、呼吸器科の診察を受けるようにと言われた。呼吸器科の医師には、朝晩の吸入薬とネブライザーをやるように言われた。
ところがネブライザーがうまく作動しない。ネブライザーは、毎回看護師が薬剤を入れてセットしてガラガラと運んでくる。霧が出た!と思えばすぐ止まってしまう。その都度若い看護師が、薬剤や溶液を入れ替えたり、装置をいじってどうにかしてくれる。どうにもならないこともしばしあって、別の装置に変えて、修理の手続きをしていることもあった。
ある日も、5分で霧が出なくなってしまった。ネブライザーから出る霧をチューブから吸うのだが、20分吸うように言われている。ナースコールを押したところで、たまたまドクターがやってきた。ベッド脇には、ネブライザー、主治医と研修医、そしてナースコールでやってきた年配のおそ松副師長。私は、おそ松副師長にネブライザーが途中で止まった旨を伝えた。するとおそ松副師長は「何分で止まったの?」と聞いてきた。「5分です」と答えると。おそ松師長は「5分もやればじゅーぶん、なんですよ!」と2人の医師の顔をなめるように見て言った。5分で十分なわけはない。
医師2人は唖然としている。研修医も呼吸器科の研修を終えたばかりなので5分では不十分なことはわかっているはずだ。
しかし、口をはさむ間もなく、おそ松副師長は、ちゃっちゃとネブライザーをかたづけて、ガラガラと押して撤収してしまった。(登場人物の名前は仮名です)
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2009年1月19日月曜日
インフルエンザ
昨日から、ある病院でのインフルエンザの集団感染が報道されている。その中で、病院内の湿度が15%であったことが、感染を蔓延させたのではないかという憶測も言われている。湿度15%に、驚くかもしれないが、病院はどこもそんなものである。大部屋は勿論、個室でも私の知っている限りの病院病室には加湿器などが設置されていたところはない。
冬は、家族がつきっきりで、びっしょりと濡れたタオルをベッドのパイプ、ロッカー脇のタオル掛けに掛けてせっせと交換しなければ、ひどい乾燥状態だ。タオルは20分ぐらいで乾いてしまい、タオル2本では、間に合わない。
家族がいなければ、よっこらしょと起きて歩き、自分でタオルを濡らしに行き、タオルをぶらせげる。
一日10万円の個室はどうかわからないが、4万円程度までの個室にも加湿器が設置されていた病院は、これまでなかった。設置のための初期費用と水の補強、手入れなどの管理の問題もあろうかと思うが、インフルエンザ蔓延を助長したことが明らかになれば、今後は病院の湿度管理の改善が求められるであろう。
2009年1月7日水曜日
生かさず殺さず
神様は意地悪だ。
昨年もまた病がひとつ増えてしまった。
昨年、年初に「ハッピーじゃないNewYear」で毎年一つづつ病が増えると綴って、まさにまたそのとおりになったわけだ。
昨年の7月から、光線過敏症が加わり、ますます不自由になったというより、ストレスは絶頂にあるといった感じだ。
太陽光はもとより、蛍光灯もPCの光も駄目だ。
常に日焼け止めを塗っていなければならないのだ。
股関節に貼った湿布薬が原因のようで、遮光せよという注意書きに従わなかったためだ。
ただ、紫外線に当たらないと、股関節の方はだいぶラクだ。
喘息も入れると治らないと言われている病を4つ抱えて新しい年を迎えた。今年は、なんとか1つ減らしてもらえないだろうか。
2008年12月23日火曜日
太郎ちゃんごめんちゃい
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」
太郎ちゃん、私は好きで病気になったんじゃないのよ。
原因もわからない、治療法もない・・・・と病気の本質的なことをここで綴れば、とりとめもなく落ち込むから
漢字にルビを振ることは、誰かがやってくれるだろう。
病苦については、誰が教えることができるだろうか?
渋谷の太郎の豪邸の屋根にはいつも虹だから、わからないのね太郎ちゃん
達治の詩は、「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ 次郎を眠らせ・・・」だ。
「眠らせ」ないまでも「太郎を黙らせ」る何かが天から降ってこないものか。
2008年12月19日金曜日
井上君、井上君
個室の空き待ちで数日間は地獄部屋のままだった。その間、耳を疑うような事実が明らかになった。朝、ドクター井上がうんこ以上にうんこな臭いのおしっこババのところにやってきた。井上君にしては珍しく慌てているように見えた。耳の遠いババに向かって大声で井上君はこう言った。「あのね。おっしっこに菌がいっぱいいるから、その菌を殺すお薬を出しますから飲んでください」
井上君のその言葉に、すぐさまおしっこの悪臭の原因はそれだと思った私は、怒りで爆発しそうになった。この世の臭いとは思えないそれに、どれだけの人がどれだけ苦しんだことか。井上君は尿中の細菌が2+ぐらいは平気でスルーだ。故意なのか、ザル眼なのかわからないが、膀胱が痛いとか訴えないかぎりは何も言わない。その井上君が慌ててやってきたということは細菌が3+か、4+か。4+ってどんなんだぁ?どんなってこんな強烈なうんこ臭になるということかぁ・・・
一体どれだけの間、細菌を放置したのだろうか?私が6人部屋に来る前から、すでにボス達に爆弾と呼ばれていた(地獄絵図5)。ボスは、ヘリで病院に運ばれてくるほど重体だったそうだから、2ヶ月はいたであろう。そしてボスが退院して2週間は過ぎたろうか?ババには、2ヶ月近く細菌がウヨウヨだったのかもしれない。
口達者なババは「私の膀胱は大丈夫なんですか?」「どうりで私のおしっこは甘い臭いがするなぁと思ってました」と井上君に言っていた。
甘いに・お・い???誰でも自分はかわいいものだ。ババは、わざわざ師長を呼び出して、年増の看護学生を大変良い学生だと言ったりしているぐらいの口達者なのだから、おしっこの臭いがおかしいと何故これまで言わなかったのか?マスクをかけて尿の始末にくる看護師達は、どうして医師に伝えなかったのか?そして、井上君、井上君、これまでの採尿検査はどうしていたんだ?ここは整形病棟でもない、消化器病棟でもない、血液から老廃物や余分な水分を排泄する機能を担う臓器の病棟だ。
ピーピーうんこババの主治医は井上君だ。うんこ臭しっこババの主治医も井上君だったのだ。
そして、私も井上君。(登場人物の名前は仮称です)
2008年12月16日火曜日
弱肉強食
娑婆も病室もこの世は弱肉強食だ。食うか食われるか。
うんこ以上にうんこな臭いのおしっこババの50になる金髪の息子はボルボに乗っているという。
私は車など持っていない。たぶん一生持てないであろう。
そんな私が何故個室に行かなければならないのか。
しかし、「病室の皆みな様にご迷惑をおかけしますので、わたくしが個室に移ります」などど殊勝なことを言う者などいない。
耐えられない奴が降参して出て行くしかないのだ。
2008年11月8日土曜日
2008年10月28日火曜日
地獄絵図15
真夜中の爆音は、まる4日続いた。爆音とともに真っ暗な病室は、赤や緑や黄色の色とりどりの光がピラピラ映って、ミラーボールが回るキャバレーの向かいの朽ちたビルの一室にいるような感じだ。時刻は、決まって午前2時。2日目にやってきたキャプテン(「おつかれナース3」)は、となりのババをゆすり起こしているようだった。ババの応答はない。キャプテンは、さとすように「うるさいよ。夜中なんだよ。テレビつけちゃ駄目だよ。みんなに迷惑だよ。」と言っていた。ババはわかった感じでもなく「夜中かぁ?」と一言だけ。
3日目の爆音がやんだ時、私の耳にJR東海のCM『そうだ京都に行こう』の音楽が流れてきたような気がした。「そうだ個室に行こう」と決心した。堪えてこらえて、耐えてたえて、忍んでしのんできたけれど限界だ。もうラクになりたいと思った。
4日目もキャプテンは夜勤だったらしく、爆音にやってきて同じように起こして、注意していた。そして朝、キャプテンは「夜中に寝ぼけるから、今日から眠剤やめよう」と言って部屋を出て行った。しかし、私の心は変わらず、その日個室病棟への移動希望を申し出た。
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