交換が済んで、男性看護師がおそらくナースステーションにたどりつく前だったろう、直ぐさま老女はナースコールのボタンを押した。やってきたのは、今出て行った男性看護師。「また?はーい、はーい」と2回目の交換。なんせ下剤を内服して、かつ末梢から、つまり点滴からも下剤を入れている老女。時には、おむつ交換している最中にもピーピィーと音がして看護師の「あーあー」という悲鳴が聞こえてくることもある。隣の私だって悲鳴を上げたい。
2回目のおむつ交換が済んで直ぐまたナースコール。またまたやってきたのは同じ男性看護師。3回目に呼ばれた男性看護師の口から出た言葉は「今取り替えたばかりだから、取り替えなくてもいいでしょ」だった。男性看護師3回目にしてギブアップか。すると老女は「女は不潔にしておくと、膀胱炎になるから駄目なんだよ」と言った。私は『確かに。ばあさんはやはり呆けてはないなぁ』と思った。男性看護師は黙って3回目の交換をして部屋を出ていった。その後は、他の看護師がおむつ交換をしていた。
その日の夜、私が密かにキャプテンと呼んでいる看護師が、0時から明け方6時近くまで64回黙々とおむつ交換をした。眠れない怒りよりも、看護師に敬服した。私だったらお尻の穴に栓をしてしまうに違いないと思った。
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