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2013年4月2日火曜日

街の花屋に薔薇はなし

窓を全部塞いで、外の様子もまったくわからず、狭い部屋に籠もっているせいか、花が無くば、居られない。いつも大抵は、自宅前のスーパーで買うカサブランカもどきの大きな百合だけど、時々、薔薇がどうしようもなく恋しくなる。
 百合も神々しくて、優しいけれど、薔薇はなんと言っても華麗だ。幾重にも重なった花びらがぐるぐると心をかき乱して、私はくらくらだ。
 特に、花びらが剣のように尖って丸まっている剣先花びらのが、『ツン』と気高い感じでたまらない。右から見ても、左から見ても、上から見ても、横から見ても、はたまた下から見ても、美しい。エロ写真家のごとくなめるようにして、シャッターを押しまくる。3月8日に買った、薔薇がなんとか今も咲いていてくれている。
 しかし、3月の後半から街の花屋に薔薇がない。3月は送別会シーズンで薔薇の需要が旺盛、4月は昨日から新年度、歓迎会シーズンで同様とあって、値がつり上がり、仕入れできないと言うのだ。
 治らないと言われる病気のおかげさまをもって、1年中、365日、心は悩ましく、そこに無理難題が
ふりかかってくると、真っ暗になる。そんな時、薔薇があって、薔薇と目が合うとその瞬間は、全てを忘れさせてくれるのだ。もう3週間以上咲いている薔薇は、熟してきて少し青みががってきているけれど、昔の大女優が突然ドラマに出てきて、下から光りを当てて飛ばすように撮らなくてもまだまだ魅惑的だ、実物は十分に堪能できる。

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