3人部屋でのある夏の夜、7時に突然真っ暗になった。『うっ!停電』と思った。数分後となりのベッドから「明るいの嫌いなので部屋の明かり消しました」と。『えっ!消灯は9時だ。当然、夜の検温もまだだ』『そんなのありかい!』と思った。となりの患者は今日入院してきた整形の患者だ。私よりは、はるかに年長で50歳は過ぎている感じだ。どうも整形病棟がいっぱいでこの病棟に1日だけいることになっているらしい。本人は昼間、「みのもんたと同じ病気で脊椎だか腰だかが痛くて耐えられないから手術に踏み切った。」と話していた。
廊下を通る看護師達が、この部屋だけ真っ暗なので「えっ」とか「何」とか言って通る。同室の通路側の老婆が8時に麻酔から目覚めたようだ。老婆は手元の明かりで、置いてあった夕食を取り始めたらしく、汁をすする音や箸や器を置く音が聞こえてくる。真夜中に目覚めたと思ったろうか。気の毒だった。少しして、夜勤の担当看護師が、ハーハー言ってやってきた。「真っ暗なので、9時過ぎたかと思ったら違った、良かった!」とほっとしたようだった。まだ老婆は食事をしているふうだったが、看護師も部屋の明かりをつけるでもなく、真っ暗な中で検温や血圧が測定された。
となりの患者は、明日からの整形病棟で、たぶん6人部屋のはず。『整形は年配の患者多いし、わりと口は達者だったりするから、整形での共同生活は大変なことになりそうだな』と思った。
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