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2007年11月22日木曜日

ドクター傾向・旧帝大出身60歳以上

やはりスパークレーバーだ!同じ事を決して2回言わない、患者の言わんとすることが瞬時にわかる、常に2手以上先の話をする、残念ながらインフォームドコンセントという言葉を知らない。

こんな医師と最初に出会ったのは、小学生の時。アタマいいなぁというのが最初に思ったこと、思い返すとそれまでに出会った大人の中で一番アタマがいい人間だったに違いない。しかし、診療所を開設するその医師は近所では藪と言われていた。父の同僚の大酒呑みがたまたま近所に住んでいて、酔って帰る途上「この藪医者出てこい!」と自宅併設の診療所の前で何度も怒鳴ったという話もあった。
 先生は、おぼつかない子供の説明でも常に瞬時に把握してくれてラクだった。一方、ぼそぼそと独り言のような説明を聞きのがすまいと必死になった。また先生の回転が速いのでついて行くのに集中を要し、診察後の待合い室で衰弱と同時に先生より自分のアタマが悪いとがっくりしたものだった。
 寒い冬の日に、脇のリンパが痛いと言うと、ストーブで自らの手を暖めてから触診した。言葉は少なく、ぶっきらぼうでインフォームドコンセントどころではないが、思い返すと今どきの医師にはない暖かな患者への配慮があった。
 藪と言われていたその医師が旧帝大出身だとわかったのは何年も後だった。それは中学生の時、胃痛で奥のベッドに横になり点滴をしている時に、足下にある汚い本棚の一番下につぶれた同窓会名簿を見つけた。名簿には旧帝大の名前が刻まれていた。そして、それがわかって間もなく父の同僚の大酒呑みは、歩道で亡くなっているのが、朝の散歩中の人に発見された。前の晩、大酒呑みは、仕事帰りに私の同級生の親がやっていた焼き鳥屋の屋台でいつものように大酒を呑み、帰宅途中に倒れたようだ。一晩中藪と怒鳴った罰が当たったのか、大酒呑みはまだ40半ばだった。先生は、その人に深酒も注意していたに違いない。

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