朝の5時だった。となりの病室で、まとめた荷物を横に置き、山高帽にジャケットを着た、年寄りがベッドに座って何やら看護師になだめられている。年寄りは、「今日は退院日だからウチに帰ります」と繰り返し言っているのだ。
看護師は困り果てている。会計だってまだクローズだ。事務職員も来てはいない。退院後の薬だってできているはずもない。
75、6歳ぐらいのお爺さんだ。その身なりは、なんと申しましょうか、オリンピックの選手団とともに、入場行進するJOCの役員のような出で立ちだった。夜にまとめたのか、ボストンバッグが一つお爺さんのとなりにある。パジャマがユニフォームである病棟で、その光景は、朝日の中、浮き立っていた。ぱりっとした身なりと裏腹に、お爺さんは一方的に「ウチに帰ります」をオオムのように繰り返している。
私は、 下痢が続いていて毎朝5時頃に、外来病棟のキレイなトイレまで駆け込む日々だった。結末はいかに?と思いながらも、お尻に力を入れて競歩選手のような格好でトイレに向かった。そしてトイレから戻ると、病棟出入り口の自動ドアが、開かない。腐ったシジミが口を半開きにしているように、わずか10センチほど開いているだけだ。お爺さん対策だと、思った私は、ならば、手動で開けられるだろうと手で開けてなんとかにゅっと入った。すると、今度は廊下でボストンバッグを下げたお爺さんと看護師が「ウチに帰ります」「まだ駄目です」とやっていた。
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2013年1月11日金曜日
2013年1月7日月曜日
何処へ行く?
ふと、考える。新春早々、買ってしまった春物のワンピースを着て一体何処に行くのか?一度着たら、脱げないワンピース。脱げなかろうが、着たい!着てどこかに行きたい!しかし、春は、日が長くなり、行けるところなんかありゃしない。若者の街、渋谷なら夜は長かろう。今年から20歳、年を鯖読むのだから、丁度いいかもしれないけれど、その違いは明白だ。
昨年、近所のスーパーマーケット西○に入った瞬間、大きく深呼吸している自分に気が付いた。デフレ時代を謳歌できる場所。安い品々は、緑の葉っぱ。広いスペースは、ジャングル。日のある間、光を防ぐべく目張りした狭い部屋に閉じこもっている私にとっては、のびのび空間だ。LEDのライトは、木の葉からこぼれる優しい光。そう、西○が、森林浴の場なのだ。
夜しか活動できない私を、24時間営業のこのスーパーマーケットが救ってくれている。
春に、おにゅーのワンピースを着ていつもの森林浴に行けばいいじゃないか!
昨年、近所のスーパーマーケット西○に入った瞬間、大きく深呼吸している自分に気が付いた。デフレ時代を謳歌できる場所。安い品々は、緑の葉っぱ。広いスペースは、ジャングル。日のある間、光を防ぐべく目張りした狭い部屋に閉じこもっている私にとっては、のびのび空間だ。LEDのライトは、木の葉からこぼれる優しい光。そう、西○が、森林浴の場なのだ。
夜しか活動できない私を、24時間営業のこのスーパーマーケットが救ってくれている。
春に、おにゅーのワンピースを着ていつもの森林浴に行けばいいじゃないか!
2013年1月6日日曜日
2013年1月3日木曜日
お江戸の春
耐えかねて、家を飛び出したのだった。じっとしていた方が身体のためには良いとは、わかっちゃいるけどいられない。日の入りは既に延びていて5時半近くのスタートで、おしまいは、9時。
日本橋の百貨店のディスプレイには新春らしい、あでやかで品格のある見事な振り袖が飾られていた。『ああ、今にも袖をとおして着たい!』と思ったのだった。
7時でクローズなので、そのまま近くのビルで赤いセーターを試着した。ほぼ予定どおりの行動だった。赤いセーターを着ると、まるで中華街の同○の店先につるされた焼豚のようになった。優しい店員さんのほめ言葉には乗りようがない。下調べが甘く、ビルのクローズが9時、店は8時クローズだった。焼豚のごとき私は、ヤケになり、Jean Paulなんとかというブランドのサキューラスカートの濃紺のワンピースを買ってしまった。お安くなっていたとは言っても、春物で、ほうきにまたがると魔法使いのようだ。しかも、ファスナーがなく、着脱に難ありだ。試着室で格闘中、このまま春まで着ているしかないかと真剣に思った。お金を払えば、それは許されるだろうと。気をとり直して、なんとかワンピースを身体からむしり取ったら、私自身がよれよれになった。
帰途、座ることができた電車内は蛍光灯が荷物棚にうまく隠れていたので、いろいろな事を考えることができた。 向かいの席に「おばさん」が座ってきて、思わずニヤリ。ここにもまた、振り袖が遙か昔の人がいる!本人は「おばさん」と自覚していない格好にそぶりだ。それはまるで鏡を見ているようでもあった。私の口もとはマスクで隠れていて、ニヤリは「おばさん」には知られない。
10年前は、歳を4つ鯖を読んでいた。5年前からは、10歳ほど鯖を読むようになった。今年は、いくつ鯖を読もうか、読むべきか。いや、読まなければならないのか。もう10歳では、どうにも間に合わない。15歳は、計算がやや面倒だ。「えーと」とつい言ってしまいそうだ。20歳だな。今年から。
2012年12月31日月曜日
反省
晦日、私の活動時間の夕刻以降は、どしゃぶりの雨となった。
年賀状の作成は、プリンターの故障で今夜、大晦日の勝負となる。
紙袋いっぱいの紙をなんとか惜しみなく捨てることができた。
ほとんどが領収書だ。友人は、一層、断捨離ブログにしてしまえと言う。エディターだった友人の助言は素直に聞くべきと思いつつ、踏み切れない。
今年は、不満と嘆きばかりだったことを今日になって反省している。
歩けるようになった去年の感謝の気持ちはどこかにすっとび(希望の翼)、夜しか活動できない暮らしの不満が募るばかりだった。来年は、どうしたい、こうしたいは今は考えられないのが正直なところ。心底、ひたすら光線過敏が軽減されることを願っているのだけれど、叶わぬことを思い続けてもむなしさとストレスで押しつぶされそうだから。
今年も、このブログを読んで下さった皆様には本当に感謝いたします。
皆様も良いお年をお迎え下さい。そして、来年もよろしくお願いします。
年賀状の作成は、プリンターの故障で今夜、大晦日の勝負となる。
紙袋いっぱいの紙をなんとか惜しみなく捨てることができた。
ほとんどが領収書だ。友人は、一層、断捨離ブログにしてしまえと言う。エディターだった友人の助言は素直に聞くべきと思いつつ、踏み切れない。
今年は、不満と嘆きばかりだったことを今日になって反省している。
歩けるようになった去年の感謝の気持ちはどこかにすっとび(希望の翼)、夜しか活動できない暮らしの不満が募るばかりだった。来年は、どうしたい、こうしたいは今は考えられないのが正直なところ。心底、ひたすら光線過敏が軽減されることを願っているのだけれど、叶わぬことを思い続けてもむなしさとストレスで押しつぶされそうだから。
今年も、このブログを読んで下さった皆様には本当に感謝いたします。
皆様も良いお年をお迎え下さい。そして、来年もよろしくお願いします。
2012年12月27日木曜日
2012年12月26日水曜日
2012年12月25日火曜日
29歳のクリスマス
『29歳のクリスマス』再放送が終わってしまった。
クリスマスイブなのに、グリーンピースご飯と鮭、湯豆腐というディナーより悲しい。北川悦吏子育ちという人がいる。北川悦吏子さん脚本のドラマを見て育った(成長してきた)ということだろうけど、そういう言い方をすれば、私の場合は鎌田敏夫育ちだ。29歳のクリスマスが再放送されるたびに、29歳の時の自分に戻れる。一層、夏でも再放送してくれ!と言いたくなるぐらいこのドラマが好きだ。『俺たちの旅』と永遠に交互に再放送してくれたならどんなにハッピーだろう。セリフがたまらない。キャストの山口智子が、松下由樹が柳葉敏郎が上手い!
本放送の時、一緒に楽しみに観ていた友人に、「今日が最終回よ!見て」とメールすると、「子供は、まだ学校が休みじゃないのよ。見たら明日起きられない」と返事が来た。あの頃、ドラマが終わると電話で熱く語ったのに。子供は勝手にランドセルを背負って、パンでも食べて学校に行くものじゃないのか?ないのかぁ。現実は、29歳からはるかに遠い。
クリスマスイブなのに、グリーンピースご飯と鮭、湯豆腐というディナーより悲しい。北川悦吏子育ちという人がいる。北川悦吏子さん脚本のドラマを見て育った(成長してきた)ということだろうけど、そういう言い方をすれば、私の場合は鎌田敏夫育ちだ。29歳のクリスマスが再放送されるたびに、29歳の時の自分に戻れる。一層、夏でも再放送してくれ!と言いたくなるぐらいこのドラマが好きだ。『俺たちの旅』と永遠に交互に再放送してくれたならどんなにハッピーだろう。セリフがたまらない。キャストの山口智子が、松下由樹が柳葉敏郎が上手い!
本放送の時、一緒に楽しみに観ていた友人に、「今日が最終回よ!見て」とメールすると、「子供は、まだ学校が休みじゃないのよ。見たら明日起きられない」と返事が来た。あの頃、ドラマが終わると電話で熱く語ったのに。子供は勝手にランドセルを背負って、パンでも食べて学校に行くものじゃないのか?ないのかぁ。現実は、29歳からはるかに遠い。
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