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2008年1月25日金曜日

おもしろ話6(となりの患者)

なんで入院しているかわからない、となりの患者「おもしろ話5(ドクターカバごんととなりの患者)」が栄養指導から帰ってきた。間もなくベテランの担当看護師がやってきて「栄養指導どうでしたか?難しかったでしょう」と尋ねた。となりの患者は「ハイ」と。ここまでは栄養指導後の台本どおりの典型的な看護師と患者の会話だった。看護師は続けて、おきまりの「どのへんが難しかったぁ?」と聞いた。
 すると、「たんぱく質と炭水化物がわからなくなっちゃって、こんがらかっちゃって」と明るく答えているとなりの患者。
 私は『こりゃ重傷だぁ』と思った。小学校は出てるのか?なんでたんぱく質とたんすいかぶつが、こんがらかるんだぁ?単にひらがなだと同じ「た」で始まるだけだ。栄養素の勉強というヤツは、小学校で中学校でそして高校でとイヤっというぐらいやらされた。同じようなことを3回も。
 となりの患者が元ヤンキーで、学校へはあまり行かなかったという感じなら納得できる。しかし、となりの患者は、服装はどちらかと言えば地味で、眼鏡をかけ、でも性格はすこぶる明るくて、ママ友達とスーパーでカートを押してそうな極フツーの主婦という感じなのである。
 看護師は少しの間「・・・・」だったが「難しく考えないで、家でも病院と同じような食事にすればいいんですよ」と、これまたおきまりの言葉を言うと、さっさと行ってしまった。となりの患者が、栄養指導のメインテーマであるたんぱく制限やそれでもカロリーを摂るにはどうするかということなどは理解できたはずもない。どこが悪くて入院になったかは、わかっただろうか。最もカバごんによれば良くなっているのだから、特に神経質になる必要もないのだ。炭水化物がなんであろうと、結婚して、どんなふうかはわからないけれど、子供も育てている。
 私も病気さえ治れば、生きていけるのではないかと、なんだか妙な自信が湧いてきたのだった。
 

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