隣のベッドの原さんは、毎日食事が摂れないようだった。2人部屋で私が入院した時、すでに原さんはいた。最初は言葉を交わしたけれど、日に日に衰えて行くようだった。そして、隣からため息だけが聞こえてくるようになって、数日すると、原さんは「トイレまでとても歩けそうにないわ」と弱々しいく言った。私が、ナースコールで看護師さんを呼んで付き添ってもらうように言うと、原さんはナースコールを押したようだった。
すると、やってきたのは、おそ松副師長(ぐーたらナース4)だった。おそ松副師長は、原さんの身体を支えるでもなければ、手を取るでもなく、よろめいた原さんは、壁をつたいながら、スリッパをひきずって、恐るおそるという感じで病室を出た。その後、原さんは、なかなか戻ってこなかった。どうしたのだろうと心配していると、賑やかな人の声とともに原さんが戻ってきたが、原さんは車椅子に乗っていた。そしてなんと、驚いたことに、その車椅子を押しているのは、パジャマ姿の患者達だ。トイレの前で倒れているのを、他の患者が見つけ、車椅子を探し、患者3人でなんとか車椅子に乗せて来たというのだ。
おそ松副師長は、原さんをトイレに入れた後、いなくなり、用を済まして出ようとした原さんは、ドアを開けてそのまま倒れてしまったらしい。トイレの隣は、ナースステーションだ。しかも、ナースステーションとトイレはつながっている。一体ナース様達は何をしていたのだろう。(登場人物の名前は全て仮名です)
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