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2014年6月26日木曜日

ドラキュラ的生活11


首夏のドラキュラは、うじっとしている。
一年で1番長い日に、身体が萎えてしまうのだ。
一日でいいから、誰か太陽をくるんでくれないか。




大手を振って、熱風吹く昼間の街を、いつかのように歩いてみたいものだ。
しかし、祈ってみても呪ってみても、奇跡というものは起こらないのがこの世の常だ。
ドラキュラは行水する。
通販で取り寄せた桐の棺の中に、そっと仮面を置き、遠い微かな灯りを頼りに水を浴びる。
素肌に直接光を当てることはできないから。







棺は、バラ模様のレース張りで、中央にはバラの造花が溢れんばかりに載っていて、廻りにビジューやラインストーンがほどこされている。


ドラキュラになってしまってから6年が過ぎようとしている。末広に思いをよせて煽ぐ力も年々弱くなっている。

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