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2012年12月1日土曜日

限りなく黒に近いブルー

ブルーだから病気が悪くなるのか、病気が悪くなるからブルーになるのか、どっちやねん!
 ある朝起きたら、右手がグローブのようになっていて、こわばって思うように動かない。これは起こりうる症状だけれど初めてなので、ショックで少し呆然となった後、混乱した。光線過敏がなければ、直ぐに家を飛び出して、犬のようにはぁはぁしながら、自宅の周りを三回歩き回るのに。しばらくして治まって、原因を考えた。原因と言ったところで、そういう病気なんだから考えても仕方がないが、子供のころから考えても仕方のないことをぐるぐると止めどなく考える。前の晩、酉の市に行ったのだった。参拝客の列は蛇のとぐろのようにぐるぐるとうにゃうにゃと狭い境内の中を幾重にも重なってはみ出てやきそば屋台の脇を突き抜けて、さらに曲がって折り返していた。結局、1時間近く寒い思いをしたのだった。医師は、暑すぎるのもいけないし、寒いのもまた病気を悪くすると言っていた。この世に神も仏もないとはこのことだ。1時間待って、30秒間、ひたすら病魔撃退を祈念したのに。おまけに、小さいながら熊手まで買ったのに。
 翌晩、ブルー打開に、かねてより予約してあった美容院に髪を切りに行った。夏の間は、日が長く、髪を切りに行くこともできない。香里奈さんを目指していた髪は、いつしか椿鬼奴 さんになり、既に連獅子の獅子の髪のようになっていた。髪が濡れると頭がぐらつくようになっていた。髪を切って、頭が軽くなって、近くの東京タワーを見たら、気持ちが上向くかもしれないと思った。しかし、あまり効果はなかった。片田舎から上京して、東京タワーを間近に見ながら大都会東京で働く喜びに胸が躍った昔を思い出して、とてつもなく情けなくなって、気がつくとひたすら、下を向いて南に南に歩いていた。

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