のどが痛む朝、検温にきた新人ナース町子ちゃんに「のどが痛むので、イソジン出して欲しいと先生にお願いしてね」と私は言った。すると、町子ちゃんは目を丸くして「では皮膚科の先生を呼びましょう」私は『?????』話を早く切り上げたかったので「なにしろ私の主治医の先生に伝えてくれればいいから」と言った。
なんでのどが痛くて皮膚科になるのだろう。新人ナース町子ちゃんは、のどが皮膚の一部と深く考えたのだろうか。私は容態が悪化の一途の時であったので、ぼーっとしてきて自分の常識がおかしいのかぁとわからなくなり、疲れるので考えるのを止めた。
その日のうちに、妙な噂話が漏れ聞こえてきた。町子ちゃんが、とんでもないポカをやったらしいというのだ。それは、ある2人の患者のデータを取り違えて、入力していたというもの。患者Aさんと患者Bさんは、ともに皮膚科の患者で、Aさんは海外から帰国後に発病し、高熱を伴っていたが、一方Bさんは、渡航歴なく熱も全くなかった。最初に気が付いたのは、患者自身のBさんで、毎日変わるナースが連日「熱はどうですか」と執拗に聞くので、ついに「私は初めから熱はありませんけど」と言い、事件が発覚したというのだ。
真相はわからないが、事実だとすれば大事件で町子ちゃんは、相当な注意を受けたに違いない。それが前日だったのか、その日の朝だったのかわからないが、町子ちゃんのアタマの中は皮膚科のことで一杯になっていて、朝の私への一声が皮膚科の先生を呼びましょうだったとしたら、わかる気がした。
とかく新人ナースはおつかれだ。患者は、新人ナースのとんちんかんな発言は軽く聞き流しつつも、注意を払いながら看護されなければならないのだ。ウカウカ寝ていてはいけない。(記載された名前は仮名です)
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